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[アーサー・C・クラーク] 2010年宇宙の旅 を読んだ  

category: 読書 tag: アーサー・C・クラーク 
2010年宇宙の旅〔新版〕2010年宇宙の旅〔新版〕
(2013/07/17)
アーサー C クラーク、伊藤 典夫 他

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木星軌道上に浮かぶ謎の物体<モノリス>にボーマンが接触してから10年。2010年、宇宙船アレクセイ・レオーノフ号は地球を旅立とうとしていた。10年前に遙か木星系で宇宙飛行士4人が死亡、1人が失踪した事件を調査し、遺棄された宇宙船ディスカバリー号を回収することがその任務だった。はたして真相は究明されるのか?
モノリスに触れたボーマンはいったいどうなったのか? そしてモノリスの本当の目的とは……。


設定が前作の2001年とは少し違ってるのですね。一番大きな違いはディスカバリー号とモノリスのいる場所です。前作の2001年では土星の月ヤペタスにモノリスはいたのですが、今回の2010年では木星衛星系にいます。このあたりは映画版2001年の設定を優先したという旨が冒頭の作者のノートに書かれています。なので映画を観ている方でしたら、すんなり設定を飲み込んで読めると思います。

それにしても前作であれだけ綺麗に物語は締めくくられていましたが、それでもやっぱりスターチャイルドになったボーマンのその後やモノリス(の背後にある意思)の目的、遺棄されたディスカバリー号などなど気になるところはたくさんあります。まだまだ語りつくされていない謎がたくさんあるのですが、それらについて2010年ではきっちり語ってくれます。

スターチャイルドになったボーマンは始めのうち、結構好き勝手やっているように思えます。彼の視点は時間的にも空間的にも縛られていないのであっちへ行ったりこっちへ行ったりとなかなかせわしないです。でも、ちゃんと与えられた役割をこなしているんだな、というのが後半になってわかってきます。
今回はHALの設計者であるチャンドラ博士も活躍しますし、もちろんHAL9000もまた登場してくれます。そういえばHALの妹でSAL9000というコンピュータも出てくるのですが、彼女は博士に「わたしは夢を見るでしょうか?」と印象的な名言を残します。このあたりのコンピュータとの会話はなんだか詩的でいいですね。

今回は前作の2001年とはところどころ対照的になっているように感じました。前作ではほとんどがボーマンの一人語りだったのですが、それに対して2010年では宇宙船の乗組員が10人近くいて結構賑やかに会話しながら旅をします。宇宙船や惑星などのSF的な描写はもちろんありますが、それ以上に人間描写や感情面の方がより多く描かれています。
また、前作では反乱を起こしたHALでしたが、今回は人間側も彼に出す命令に矛盾がないよう慎重にしているのでHALも協力的に任務をこなします。HALが任務をこなすシーンは前作で反乱を起こしているだけに緊張感があります。HALが命令に逡巡するところなんかは読んでいて手に汗握ります。

物語の最後でモノリス(とその背後にある意思)の真意が前作以上に掘り下げて語られます。また、なぜモノリスのいる場所が土星軌道上から木星軌道上に変更されたのかが(それがただ単に映画の設定を引き継いでいるという以上に)わかります。
それにしても前作以上に、本当に宇宙旅行をしたような気にさせてくれますね。もしかしてクラークは宇宙旅行に行ったことがあるのでは? そんなことすら感じさせるほどです。
今回も最高のオデッセイでした。
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